1992年
著者:香川芳子
所属:女子栄養大学

  • 健康科学
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はじめに

 日本一の長寿県である沖縄県の人々の健康の要因を知るために、琉球料理のルーツを知る必要がある。一方沖縄の料理には中国風のものが多いことが、研究室の過去数年の調査で報告されている。そこで、14世紀に中国の福建省から現在でいう沖縄県那覇市久米地域に移住し、中国と琉球王国との交流において大切な役割を果たした中国からの帰化人である久米村人の存在に注目した。中国との交流の中で彼らが沖縄の食事に与えた影響は大きいものと推測される。この久米村人の食の中でも、行事食は琉球王朝時代からの中国の影響が残っている可能性がある。
そこで今回の調査はこの久米村人の子孫にあたる人たちを対象とし、久米村の行事食を調査、検索することによって、現在でも行事食に残っている食文化の源流を探ることを目的とした。
以下の2つの面から沖縄の料理に与えた影響を検討する。
1.文献の検索によって、久米村の歴史、及び久米村の行事食について調べる。
2.聞き取り調査によって、各氏ごとに現在行われている行事食を調べる。
以上の②点について文献調査と聞き取り調査を対比させながら、久米村の行事食にみる中国の影響及び沖縄の料理の影響を検討する。

書籍ページURL
https://www.j-milk.jp/report/paper/commission/9fgd1p0000021uzy.html

2015年9月18日