1991年
著者:上野川修一
所属:東京大学農学部農芸化学科畜産物利用学研究室

  • 健康科学
  • 分析・その他基礎研究

目的

 動物は、摂取した食品成分を腸管細胞から摂取する。小腸管腔の表面は、上皮細胞に覆われており、食品成分が直接上皮細胞と相宣作用しうる。上皮細胞のうち、幹細胞は盛んに分裂している。この幹細胞は未知のシグナルが引き金となって、繊毛上を移動すると共に、消化、呼吸を担う吸収上皮細胞やホルモンを分泌する腸管内分泌細胞あるいは杯細胞、パネト細胞などに分化する。繊毛先端では、成熟細胞が剥離しており、幹細胞の増殖とのバランスが保たれている。本研究では、このような小腸上皮細胞における高度な増殖と分化の制御に関わる食品成分の検索を目的としている。ここでは、牛乳中に豊富に含まれるビタミンA関連化合物(レチノイド)に注目し、これの細胞機能に対する乳蛋白質の影響も調べた。レチノイドのうち、特にレチノイン酸は強力な分化誘導物質として知られている。

書籍ページURL
https://www.j-milk.jp/report/paper/commission/9fgd1p0000021ull.html

2015年9月18日