1991年
著者:寺本民生
所属:帝京大学医学部第一内科

  • 健康科学
  • 生活習慣病予防

はじめに

我々は健康者における牛乳摂取の血清脂質に及ぼす影響について検討してきたが、一日400mlの摂取では当初1ヶ月は血清コレステロールはやや上昇するものの摂取を継続していてももとに戻り、まだこの一過性のコレステロールの上昇もHDL-コレステロールの上昇を伴っており悪化現象ではないと考えられた。
正常者においてはコレステロール吸収に関しでも正常範囲に保つような制御機構が働いている一方、高脂血症患者にはその制御機構の破綻故に高脂血症を呈する可能性が考えられる。そこで今回の研究は、高脂血症患者において牛乳摂取がその血清脂質に悪影響を及ぼすか検討することとした。
牛乳摂取は他のカルシウム等の栄養学的効果を考えるとき、きわめて効率のよい栄養源であると考えられるが高脂血症患者においては牛乳に含まれるコレステロールおよび動物性脂肪がしばしば問題とされてきた。今回の研究は高脂血症患者において牛乳摂取がコレステロール上昇に働くか否か検討することであり、現実的な観点から重要かつ必要な検討と思われる。
今回は本研究3年自に当たり過去2年間のデーターも併せて検討した。

書籍ページURL
https://www.j-milk.jp/report/paper/commission/9fgd1p0000021ull.html

2015年9月18日