1989年
著者:松崎俊久
所属:琉球大学医学部保健学科

  • 健康科学
  • 各ライフステージ

目的

高齢者の牛乳の飲用習慣と血清脂質、特に総コレステロールとの間には有意な関係があることを、2つの異なった集団からこれまで確認している。これらの結果は過去2年間の本研究報告書に発表しているが、対象とした沖縄県大宜味村、秋田県南外村とも牛乳飲用習慣のある者はそうでないものに比し、およそ10mg/dl高い値を示した。なお、このときの分析には日常生活動作能力、ならびに他の食品摂取状況をコントロールしている。
一方われわれは、食品摂取習慣からの10年間の生命予後について報告しており、牛乳の飲用習慣のある者はそうでない者よりも生存率か高いことも報告しており、高齢者の牛乳飲用習慣は健康にプラスの方向に寄与しているものと考えている。また、わが国の平均カルシウム摂取量が所要量を満たしていないことなど、カルシウム摂取量不足の点からも、牛乳飲用習慣を高める必要があるものと思われる。
人々の栄養改善を推進していくためには、食品摂取に影響を及ぼす諸要因を見極める必要がある。これは高齢者の食品摂取に介入する場合も例外ではない。本研究の目的は、高齢者の牛乳飲用習慣に影響を及ぼす要因を明らかにしようとするものである。

書籍ページURL
https://www.j-milk.jp/report/paper/commission/9fgd1p0000021tkn.html

2015年9月18日