1989年
著者:三宅浩次
所属:札幌医科大学公衆衛生学講座

  • 健康科学
  • 各ライフステージ

はじめに

牛乳の飲用習慣が健康に与える影響については、栄養学的見地からの報告は多いが、本研究では疫学的側面から、その影響を調査検討した。
実験的方法では、目標とする要因以外の条件を制御して、例えば牛乳1品目を加える形で実験計画を立てることも可能であるが、ヒトを対象として行うときは、総摂取エネルギーへの影響、他の食品の噌好の変化による影響など、解釈上困難な問題も多い。他の食品の摂取量を制御する実験は、代謝病棟などの特殊な状況下で行われているに過ギない。牛乳の実験では、Hussiらの刑務所服役者の例があるが、これも極めて限られた状況といえよう。疫学調査では、生活環境の多様な条件の中での関連を開丹するという方法によるので、因果関係を直接説明しようとするごとには困難があるが、対策と関連する要因を明らかにする点では、有用な方法である。食品摂取と健康現象の関連の研究は、とくに実験と調査によって相補いあうものと考えられる。本研究では、今回の調査と前回の調査の両方で、でタの揃っている受診者について牛乳飲用習慣と各種健康指標の関連を検討した。

書籍ページURL
https://www.j-milk.jp/report/paper/commission/9fgd1p0000021tkn.html

2015年9月18日