糖尿病および消化性潰瘍治療と牛乳摂取
1989年
著者:後藤由夫
所属:東北厚生年金病院
糖尿病害者の牛乳飲用者比較
糖尿病の治療では食事療法が最も有効で、これによって高血糖状態が是正される症例が少なくない。食事療法では必要エネルギーを定め、このエネルギーを糖質、脂質、蛋白質に配分し、さらに一日の時間的配分をも考えるが、実施に当たっては食品交換表が広く用いられている。この中では食品はその栄養組成により6表に分けられており、牛乳および乳製品は表4としてまとめられている。食事療法の指導に当たっては表4を一日1単位以上とることをすすめている。そこで今回は糖尿病患者が実際にどの程度牛乳を摂取しているのかについて調査を行った。調査の対象としたのは東北厚生年金病院内外来通院中の糖尿病患者である。その結果は表1に示すように、年令別にみると60才未満の59名では56名(94.9%)が飲用しているのに対し60才以上の53名では4名(83.0%)で、60才未満に指導通りに飲んでいる者が多い。また性別では全年齢についてみると男性は55名中51名(92.7%)に対し女性57名中49名(84.2%)と女性に飲用しない者が多く、とくに女性だけについてみると60才未満では30名中29名(96.6%)が飲用しているに対し60才以上では27例中20例(74.1%)と飲用率が低くなっている。また60才以上の女性を除外した85名では80名(94.1%)が飲用していることになる。また牛乳飲用量についてみると、一日200m1以下のものは100名中21名、一日200m1のもの56名、一日400m1のもの20名、一日600m1-800m1のもの3名であった。
書籍ページURL
https://www.j-milk.jp/report/paper/commission/9fgd1p0000021tkn.html
書籍ページURL
https://www.j-milk.jp/report/paper/commission/9fgd1p0000021tkn.html