カルシウム摂取と血圧調整機序
1988年
著者:増山善明
所属:和歌山県立医科大学
カルシウム(Ca)は細胞内伝達機構において重要な働きを果たしているが、一方、高血圧患者にCaを経口負荷すると降圧が認められる。本研究は、このように一見矛盾するCaの作用を明らかにするため、高血圧のCa代謝に関する国際セミナーを開催し、この分野の専門家と広く意見交換を行い研究の基礎資料とした。このセミナーの討論を踏まえ、まず、本態性高血圧患者における食塩負荷のCa代謝に及ぼす影響について検討した(尾形悦郎)。さらに、遺伝性高血圧の実験モデルである高血圧自然発症ラット(SHR)を用い、血管反応性におよぼすCaの関与(岸浩一郎)、血小板内遊離CaのADPに対する反応、レニン遊離に及ぼすカルモデュリン、Cキナーゼの関与(増山善明)についても検討し、高血圧における血圧調節機序へのCaの関与について知見を得た。本報告書では、国際セミナーの意義・成果と、個別研究4編について報告する。
書籍ページURL
https://www.j-milk.jp/report/paper/commission/9fgd1p0000021rwd.html
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