牛乳中の脂質代謝調整因子に関する研究(2)
1988年
著者:菅野道廣
所属:九州大学農学部
はじめに
エイコサノイドは非常に多彩な代謝調節機能を発揮するので、そのバランスを適正に保つことは正常な機能維持のために不可欠の要因である。エイコサノイド産生は基質である多価不飽和脂肪酸の供給に依存する面が大きいので、食事由来のリノール酸、α-リノレン酸の長鎖不飽和化反応の進行状況が問題となる。いわゆる成人病と称される種々の疾病時には、リノール酸の代謝能が低下し、そのことが病態を増悪する可能性があるので、食事による改善対策はきわめて重要である。
前年度、われわれはこの長鎖不飽和化系が食餌たん白質の種類に依存し、カゼインは大豆たん白質に比べこの転換反応を強く促進することをラットを用いて観察し報告した。カゼインの効果は、食餌脂肪の効果とは独立したものであった。そこで、病態モデルの一例として、アルコールを摂取させリノール酸代謝能を低下させた条件下でカゼインの効果を検討した。今回はさらに乳清たん白質についても調べた。
書籍ページURL
https://www.j-milk.jp/report/paper/commission/9fgd1p0000021rwd.html
前年度、われわれはこの長鎖不飽和化系が食餌たん白質の種類に依存し、カゼインは大豆たん白質に比べこの転換反応を強く促進することをラットを用いて観察し報告した。カゼインの効果は、食餌脂肪の効果とは独立したものであった。そこで、病態モデルの一例として、アルコールを摂取させリノール酸代謝能を低下させた条件下でカゼインの効果を検討した。今回はさらに乳清たん白質についても調べた。
書籍ページURL
https://www.j-milk.jp/report/paper/commission/9fgd1p0000021rwd.html