健康成人における高脂肪含有cheeseおよび低脂肪含有cheese負荷による血中脂質、血小板凝集能、6-keto-PGFla、ThromboxaneB2および牛冠動脈、冠動脈のSMC、ECにおよぼす影響の検討
1987年
著者:中島康秀
所属:産業医科大学第2内科
研究目的
動物性脂肪が冠疾患の危険因子である血清cholesterolを上昇させる大きな原因とされている。しかしながら、脂肪が生体内でのエネルギ—転換に必要であることは十分認識されている。我々の病院では、普通食の患者にはプロセスチーズ(100g当り、339カロリー、蛋白質22.7g、脂肪26g、糖質1.3g)を、動脈硬化性患者には、カッテージチーズ(100事当り、105カロリー、蛋白質13.3g、脂肪4.5g、糖質1.9g)を使用している。そこで本研究では、(1)健康成人にcross overで2種類のチーズ(高脂肪含有cheese、低脂肪cheese)を等量投与し、投与前後での、血清cholesterol、triglyceride、各リポ蛋白分画のcholesterol、triglyceride、およびアポ蛋白、脂肪酸を測定。これらの乳製品が、どの程度血清cholesterol、トリグリセライド、脂肪酸の変化に関与しているかをあきらかにする。更に近年、動脈硬化の原因としてLDL-cholesterolの動脈平滑筋細胞(SMC)や内皮細胞(EC)におよぼす影響が注目きれている。そこで、乳製品投与前後の血清、LDL-cholesterolの牛大動脈、冠動脈のSMC、ECにおよぼす影響を検討する。これらの検討により、乳製品であるチーズは、実際に循環器疾患、特に虚血性心疾患の基盤となる冠動脈硬化に悪影響を与えているかどうかが明らかにできるとともに、加えて適正な摂取量の想定が可能となる。
書籍ページURL
https://www.j-milk.jp/report/paper/commission/9fgd1p0000021qu5.html
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