1987年
著者:香川芳子
所属:女子栄養大学

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歴史的考察 沖縄の食生活と牛乳

沖縄には、沖縄の気候風土や人々の生活にあった独特の材料や、調理法をもちいる「琉球料理」があり、それは外来文化の流入の激しい現在もなお、沖縄県民の食卓に生きつずけている。
琉球料理には肉料理がいろいろあるが、琉球料理における「肉」は、殆どの場合豚肉を指しており、牛肉料理は非常に少ない。しかし、肉牛の飼育は戦前 からさかんで、主に九州、関西方面に子牛を生きたまま出荷していた。従って、 沖縄の人々にとって、牛は現金収入のための生産物であり、自分達の消費の対象ではなかった。現在でも肉牛の飼育はしているが、暑さに弱い乳牛の飼育数はすくなく、戦後アメリカなどからの外来食文化の影響により、生乳の需要が増加しても移入に頼らざるを得なかった。そのため、価格も全国平均より高く、購入数量ののびも遅いと考えられる。

書籍ページURL
https://www.j-milk.jp/report/paper/commission/9fgd1p0000021qu5.html

2015年9月18日