2022年
著者:大貫 麻美
所属:白百合女子大学

  • 食育・教育
  • 乳幼児
  • 学童

研究成果の概要

本研究の仮説は,「外部講師による理科読プログラムと,関連する行事等が計画的に配置されたカリキュラム・マネジメントは,理科や保健の学習が始まる前であっても,幼児・児童へ『乳』に関する豊かな学びを提供できる」ということであった。ここで述べる豊かな学びは,乳に関する知識や科学的思考力等と共に,乳の加工・流通等への関心や得た学びを活用する意欲などの人間性をも包含する学びを意味する。この仮説の検証のため,本研究では,研究協力先である島根県内の認定こども園と幼稚園各1施設で実施された「乳」に関する理科読プログラムを含む教育活動等について調査を行い,幼児に豊かな学びが見られた実践において,どのようなカリキュラム・マネジメントが行われていたのか可視化することを試みた。
その結果,どちらの施設においても,幼児教育・保育課程に理科読プログラムが組み込まれただけではなく,関連する内容が行事等で扱われており,施設内でPDCAサイクルが行われていたことや,オンライン協働型での実施に向けたICT環境の整備,図書の利用等に関して施設外部との連携協力がなされていたことなどが明らかとなった。また,こうした幼児教育・保育施設における成果を小学校低学年に拡張することを視野に,公立小学校2校での理科読プログラムの試行及び聞き取り調査を行った。その結果,小学校に拡張するためには,学校図書館を「知の拠点」とし,教科横断型の視点でプログラムの改変や,評価指標と対応した言語活動・表現活動の導入等を検討する必要があることが示された。


研究分野:教科等の教育における「乳」の教育的価値を活用した教育プログラムの開発と検証
キーワード:
カリキュラム・マネジメント理科読プログラム幼児 児童

2025年2月28日