2021年
著者:山本輝太郎
所属:金沢星稜大学

  • 食育・教育
  • 成人

研究成果の概要

本研究は、いわゆるアンチミルク情報に対して、一般消費者が科学的に妥当な判断を下せるように支援する効果的な教材の開発を中長期的な目的としたものである。著者は前研究において、アンチミルク情報に対する試験的なオンライン教材を開発し、その教材効果を実験的に検証した。一方、前研究で開発した教材(旧教材)は試作的な意味合いが強く、これまでの教育学的知見に基づく教材設計という意味では不十分であった。また、対象者のアンチミルク意識の度合いの測定、その意識変容まで見据えた教材開発なども課題であった。そこで本研究では、①対象者のアンチミルク意識を測定するための尺度開発、②対象者の没入感を高めるためのナラティブ教材(新教材)の新開発に基づき、当該尺度を利用した新旧の比較実験を行った。研究①の結果、開発したアンチミルク意識尺度は「牛乳飲用による危険性や疾患リスク」「酪農や牛乳飲用に対する負の印象」などの4因子に分類された。また、研究②の結果、ナラティブ化した新教材は旧教材と比較して、対象者のアンチミルク意識をより弱める効果があった。
以上の研究成果に基づき、最終的にアンチミルク情報に対するシナリオゲーム形式のオンライン教材システムを新たに開発し、公開した。

研究分野:消費者教育 科学教育 教育工学
キーワード:
ランダム化比較試験(randomized controlled trial)クラウドソーシング(crowdsourcing)消費者リテラシー(consumer literacy)疑似科学(pseudo-science)ゲーミフィケーション(gamification)  

2024年3月15日