2021年
著者:須本 良夫(研究代表者)
所属:岐阜大学教育学部
共同研究者:岐阜大学教育学部附属小中学校 森田 裕代

  • 食育・教育
  • 学童

研究成果の概要

2020年度から完全実施となった資質能力を育成する学習指導要領のもとで、総合的な学習の時間の役割はこれまで以上にその重要性を高めることになった。しかし、多くの学校においてその重要性を認識したうえでのマネジメントが行われているとはいいがたい。特に探究の原動力となる体験活動の位置づけは、特に見直されることもなく体験をするに重点が置かれることが多い。コロナウイルスの流行における学校の臨時休業という特殊な状況の中で、日常的な給食の廃棄が行われた。子どもたちは直接目にしなかったが、給食の中から牛乳廃棄という事実に着目し、事実の共有をするところから本実践はスタートをした。はじめはもったいないという感想のみであったが、5年生が主体的な探究を進められるようなマネジメントを実施することにより,子どもたち学びの姿から次の点が明らかになった。
①ゴールイメージを抱かせたバックキャスティング思考は、探究意欲と学びの方向性を明らかにすれば、小さな問題解決を行う上で効果的に働くことにつながった。
②毎日給食で飲んでいる牛乳も、実はその生産や牛そのものについて知らないことの方が多く、生産者との対話や実際の見学を繰り返し行う場の設定により、廃棄はもったいないという一面的な見方ではなく、経済的見方やエシカル消費につながる多様な観点から考える姿が見られた。
キーワード:
アニマルウェルフェア経済動物バックキャスティング思考食育

2024年2月29日