2013年
著者:柴英里
所属:高知大学教育研究部人文科学系教育学部門

  • 食育・教育
  • 成人

研究成果の概要

 本研究では、食の問題が深刻化しているアメリカにおいてどのような健康増進・疾病予防のための食生活改善に関する取り組みがなされているかを概観し、コロラド州立大学エクステンション部が開発した食育プログラム La Cocina Saludable を中心に、その分析・考察を行った。このプログラムは、Prochaska らによって提唱されたトランスセオレティカル・モデルを理論的根拠としており、食品や栄養に関する知識・スキルを習得させ、よき食生活へと行動変容を促すことを目的としており成果を上げていた。乳・乳製品の摂取に関する内容に着目すると、健康・疾病と乳・カルシウムに富む食品との関係について、確かな知識を習得させながら、健康を維持するためには「何をどれだけ食べればよいのか」ということについて、実践的に体得させるように構成されていた。また、トランスセオレティカル・モデルの概念を利用することより、ある食育の取り組みが対象者の行動変容を促す上で効果的であったかどうかを評価する一助となりうる。教材に着目すると、アメリカでは、人体・食物・栄養について学ぶことのできるエデュテイメント性のある教材が多様に開発されていた。乳・乳製品を含む食物を適切に摂取させ健康的な食生活の実践を促すような食育プログラムを開発する上で、本研究で示した理論的枠組みを有する食育という観点及び具体例は大いに参考になると考えられる。

研究分野:教育的評価

書籍ページURL
https://j-milk.jp/report/paper/alliance/berohe000000lbx7.html
キーワード:
アメリカ食育トランスセオレティカル・モデルプログラム

2015年9月21日