研究成果のご紹介「高齢者における真夏野外インターバル速歩とヨーグルト摂取併用による運動・暑熱ストレス耐性改善促進効果:無作為化比較試験」(増木静江先生ら)
2022年5月2日
2021年度までの委託研究の一部として行われた信州大学 教授 増木静江先生らのグループの研究成果が、International Journal of Environmental Research and Public Health に論文採択され、公開されましたので、ご紹介いたします。
【誌名】Int. J. Environ. Res. Public Health 2022, 19, 4715.
https://doi.org/10.3390/ijerph19084715
【タイトル】Effects of Yogurt Intake on Cardiovascular Strain during Outdoor Interval Walking Training by Older People in Midsummer: A Randomized Controlled Study
【要約】
高齢者における真夏野外のインターバル速歩とヨーグルト摂取の併用が運動・暑熱ストレス耐性改善を促進するか否かを検証した。インターバル速歩とは、個人の最高酸素摂取量の40%程度のゆっくり歩きと70%以上の速歩、それぞれ3分間ずつを1セットとし、1日5セット以上、週4日以上行うトレーニング方法である。既に12ヵ月以上インターバル速歩を実施している高齢者103名をゼリー(糖質45g、180kcal)群とヨーグルト(乳蛋白質9.3g、糖質39g、192kcal)群に無作為に分け、さらに夏季8週間同トレーニングを実施していただき、その際の運動強度(携帯型カロリー計)、心拍数(携帯心拍計)を連続測定し、日々の運動直後に指示した食品を摂取してもらった。解析対象は、インターバル速歩を週4日以上、週合計速歩時間60分以上、各歩行を1日4セット以上実施したゼリー群39名、ヨーグルト群37名とした。その結果、ヨーグルト群では、介入開始時と比較して30日目以降に速歩時の心拍数が有意に低下した(P<0.03)。一方、ゼリー群ではこれらの変化を認めなかった(P=1.0)。また、トレーニング実施率、運動強度には群間で差を認めなかった。以上、高齢者におけるインターバル速歩とヨーグルト摂取の併用は運動・暑熱ストレス耐性改善を促進することが示唆された。
※ 本研究の研究報告書は、後日掲載となります。