牛乳乳製品健康科学 学術委託研究者 森 博康先生が、第76回日本体力医学会大会(2021,三重)において、第18回大塚スポーツ医・科学賞「奨励賞」を受賞されました。

日本体力医学会大会 https://www.right-stuff.biz/jspfsm76/award/


[受賞演題]
レジスタンス運動後の乳清たんぱく質の摂取が高齢者のサルコペニア治療と身体的QOLに与える効果:ランダム化比較試験

[研究者] 森 博康(1)、徳田 泰伸(2)
(1)徳島大学先端酵素学研究所、(2)一般社団法人兵庫ロコモ寺子屋

[要約]
レジスタンス運動後の乳清たんぱく質摂取の併用介入がサルコペニア治療とQOLに与える影響についてランダム化比較試験で検証することである.サルコペニアに該当する高齢者を対象者に24週間に渡り週2回のレジスタンス運動を実践する群(運動群27名),週2回の乳清たんぱく質を摂取する群(乳清群27名),週2回のレジスタンス運動後に乳清たんぱく質を摂取する(運動+乳清群27名)の3群にランダムに割り付けた.乳清たんぱく質はたんぱく質11.0g,ロイシン2300mg含まれる.介入後,運動+乳清群はサルコペニアありが有意に減少し(p<0.01),身体的QOLが有意に増加した(p<0.05).介入後,運動+乳清群は骨格筋量低下ありと握力低下ありが有意に減少し,運動群は握力低下ありが有意に減少し,乳清群は骨格筋量低下ありが有意に減少した.レジスタンス運動と乳清たんぱく質摂取の併用介入は,高齢者のサルコペニアを寛解し,骨格筋量低下ありと握力低下あり,身体的QOLといった複数のアウトカム指標を改善できることが示唆された. 

 

【参考】
2019年度「牛乳乳製品健康科学」学術研究の選考結果
「サルコペニア治療を目的としたレジスタンス運動と乳清たんぱく質の栄養摂取タイミングの有用性–栄養療法と運動を併用した ランダム化比較介入試験-」
https://m-alliance.j-milk.jp/koubo/2019/kenkokagaku.html

本研究については、2021年12月12日(日)開催のジャパンミルクコングレス2021で、研究終了後に追加された情報も含めて発表いただく予定です。

2021年10月6日