乳の社会文化ネットワーク幹事の大江靖雄教授が24th Asia Pacific Tourism Association Annual ConferenceにおいてBest Paper Awardを受賞されました。

 乳の社会文化ネットワーク幹事の大江靖雄教授(千葉大学大学院 園芸学研究科 食料資源経済学コース)の論文“On the relationship between operator's identity and efficiency in dairy farms performing educational tourism: an application of slacks-based measure DEA models”が、2018年7月3日 - 5日にフィリピン・セブ島で開催された24th Asia Pacific Tourism Association Annual Conferenceにおいて、Best Paper Awardを受賞されました。

対象論文は、平成28年度「乳の社会文化ネットワーク」学術研究の「わが国酪農経営の多角化と効率性に関する実証分析」の成果であり、我が国の「酪農教育ファーム」*の財務データを用いて、乳製品加工の多角化を行う酪農経営が、経営をより効率的にしていることを、世界で初めて解明しました。新たな分析のフレームワークの提示と、詳細な調査とデータに基づき、これまで適用されていない新たなDEA分析**の手法で実証分析した点が高く評価されました。

Asia Pacific Tourism Association (APTA)は、1995年に設立されたアジア・太平洋地域を対象とした観光研究の国際学会です。会員数は約800名で、毎年1回大会が開催されています。今回の大会では、17の国と地域から172名が参加しました。大学院生向けのセッションへの投稿20件を含めた全投稿件数192件のうち、口頭発表で91件、ポスター発表で29件が受理されました。Best Paper Awardの選考では、7件が候補として発表され、上位2件が表彰されました。このうち、1位として大江靖雄教授の論文が選出されました。
 
* 酪農教育ファーム
 牧場を教育の場として活用し、子どもたちに「食やしごと、いのちの大切さ」を学ばせたいという学校の先生の思いと酪農について知ってもらいたいという酪農家の思いが一致して誕生した活動です。酪農教育ファーム推進委員会(事務局:一般社団法人中央酪農会議)から認証を受けた酪農家等が、子どもたちが安心して活動できるように安全や衛生に留意しながら、情熱をもって酪農体験の受け入れや学校への出前授業などの活動を行っています。
 
** DEA分析(Data Envelopment Analysis)
 事業体の効率性を評価するために開発された分析手法で、企業の経営評価のみならず、公共団体、病院などの事業活動を行う主体の経営分析の手法として幅広く活用されており、農業分野においても適応されています。
 

2018年8月23日