わかりやすい 最新ミルクの研究

発刊のお知らせ

 一般社団法人Jミルクと「乳の学術連合」(牛乳乳製品健康科学会議/乳の社会文化ネットワーク/牛乳食育研究会の三つの研究会で構成される学術組織)は、「乳の学術連合」で平成25 年度から毎年度実施している乳に関する学術研究の中から、特に優れていると評価されたものを、本書「わかりやすい 最新ミルクの研究」として整理し発刊することに致しました。
本書発刊の目的は、「乳の学術連合」による研究の成果を、学術研究者や専門家だけでなく、食品としての牛乳乳製品や酪農乳業の産業活動に関心をお持ちの全ての皆様と共有するとともに、研究を通して明らかとなった「乳の価値」を広く社会に還元することにあります。このため、本書では、対象となった学術研究を、極力、わかりやすく要約して掲載するように努めました。

 現在、わが国は様々な社会的課題を抱えています。超高齢化社会の到来の中で人々の健康寿命を少しでも延伸することが必要です。世界的な人口増加が続く中で予想されている深刻な食
料・栄養問題を解決するためには、持続可能性のある食料生産や食生活のあり方及び食文化形成が重要です。さらには、こうした社会的課題に対処するためには、食生活や健康に関する適
切な能力や態度を獲得することが我々に求められています。
 このような社会的課題に対する様々な取り組みに際し、本書が、新しい視点やアイデアを提供できることを願っています。

なお、初刊となる本書には、平成25 年度における「乳の学術連合」の学術研究のうち、
科学的根拠に基づいた牛乳乳製品の価値解明に資する、医学・栄養学・食品科学・体育学などの課題と結びつけた「牛乳乳製品健康科学」分野から5 題、
②乳利用と酪農乳業の発展に寄与し、
乳の社会的・文化的価値の解明に資する「乳の社会文化」分野から3 題、
③乳を活用した豊
かな食体験及び総合的な食知識の習得、食に対する健全な態度の育成や適切な食選択能力の向上などの教育的な取り組みに資する「食と教育」分野から3 題、

合計11 題の研究成果が掲載
されています。 また、本書に掲載された研究成果は、本サイトの次のページでご覧になれます。

学術連合の研究データベース

内容

牛乳乳製品健康科学 5題
1 牛乳摂取が生活習慣病に及ぼす影響についての包括的大規模疫学的研究
代表研究者 弘前大学大学院医学研究科社会医学講座:大久保 礼由

2 牛乳乳製品摂取による高齢者のロコモティブシンドローム予防に関する研究
代表研究者 共立女子大学大学院:川上 浩

3 都市部地域高齢者の乳製品摂取と頸動脈硬化進展に関する研究
代表研究者 国立循環器病研究センター予防健診部:小久保 喜弘

4 高齢者の牛乳飲用が栄養状態および認知機能低下に及ぼす影響
代表研究者 東京都健康長寿医療センター研究所:成田 美紀

5 食時及び夕食時(就床時)の牛乳摂取は、子どもの精神衛生と睡眠健康を増進させるか
代表研究者 高知大学教育研究部人文社会科学系:原田 哲夫

乳の社会文化 3題
1 放牧酪農の新規参入者支援における自主的グループの意義
代表研究者 北海道大学大学院 農学研究院:小林 国之

2 被災地産乳の需要回復につながるリスクマネジメントの解明
-リスクマネジメント教育により福島県産に対する評価はどこまで回復するか?-
代表研究者 日本大学生物資源科学部:竹下 広宣

3 明治期の東京に於ける牛乳事業の発展と経過の考察
代表研究者 日本酪農乳業史研究会:矢澤 好幸

食と教育 3題
1 幼稚園・保育園での牛乳を活用した食育教材の作成
代表研究者 帝京大学医学部附属病院栄養部:朝倉 比都美

2 「乳」を活用した食の教育活動で、生命尊重概念の萌芽(芽生え)を目指す意義と可能性
-幼児・学童期をつなぐスタートカリキュラムに着目して-
代表研究者 東京家政学院大学:酒井 治子

3 アメリカにおける乳・乳製品摂取を促進する食育プログラムの理論と方法および使用教材の研究
代表研究者 高知大学教育研究部人文社会科学系教育学部門:柴 英里

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わかりやすい 最新ミルクの研究
(PDFファイル 6.4MB)

2015年11月5日