牛乳食育研究会設立趣意書

 わが国の食生活は、戦後の食糧難いわゆる「飢餓」の時代から、「飽食」の時代へと目覚ましい変化を遂げてきたが、その一方で、食と健康をめぐる様々な課題が社会的な問題として顕在化している。 
高度経済成長期を経て実現した大規模で効率的な食品流通システムによって、食品の品質向上と低コスト化を図ることができたが、一方で、生産と消費の間に深い断絶が生まれ、生活者の食への関心を希薄なものにするとともに、食に関する知識や判断力の低下を招く一因となっている。 
 
さらに、ライフスタイルの個性化が強まるにつれ、食の消費行動には、豊かな食を追及する生活者が現れる中、他方では、経済的理由での欠食、空腹を埋めるための低価格食材への強い依存など、新たな「食の貧困」が生まれつつあり、食の二極化が進展している。
 
また、女性の就労率の高まりといった社会変化の中で、家庭内での料理機会が急速に減少したことから、外食や中食などの「食の外部化」が進み、家族全員で一緒に食事を摂る場面が徐々に減少し、家庭内コミュニケーションにおける食の機能が低下するとともに、子どもたちにおいては、食に関する文化や習慣を習得する機会が少なくなってきている。 
こうしたわが国における食生活の変化の中で、脂肪や塩分の過剰摂取や摂取栄養素の偏り、食習慣の乱れ、肥満や過度の痩身、生活習慣病などの健康問題が深刻な国民的課題となっている。
 
このような食をめぐる多様な課題を解決するため、最近にあっては、食育基本法の制定及び食育基本計画の推進などの政策的支援もあり、全国各地で様々な教育的取り組みがなされているが、依然として、食に関する教育が十分に行き届いているとは言い難い現状にある。
 
以上のような状況の中で、今後、日本国民が健全な食生活を通じて健康で心豊かな人生を確保していくためには、多様な食体験及び総合的な食知識の習得を通じ、食に対する健全な態度の育成及び適切な食選択能力の向上などの教育的な取り組みが、従来に無く重要となっている。 
 
こうした食生活をめぐる課題と問題意識を踏まえ、食に対する態度や習慣が形成される幼児期及び学童期・青年期の子どもたちを中心に、ライフステージに対応した課題解決型の「食と教育」の体系的な研究、学校や家庭にとって身近な乳(酪農や牛乳乳製品)の持つ優れた教育的・栄養学的可能性を活かした教育プログラムや実践的教材の研究、学校関係者及び家庭向けの情報開発などを行い、「食と教育」に係る取り組みを推進・支援するため、「牛乳食育研究会」を設立するものとする。 
 
平成24年10月8日 
 
代表発起人    角屋重樹 
発起人    田中博之 児玉浩子 長島美保子 石井雅幸 鈴木由美子 

運営規定、入会申込書

 こちらからご覧ください。

「牛乳食育研究会」運営規定
2024年8月改正
(PDFファイル)

(様式1)牛乳食育研究会入会申込書、(様式2)会員推薦書
(wordファイル)
 *会員情報が必要な場合は、事務局へお問い合わせください。

(様式3)退会届
(wordファイル) 

2024年9月12日