2017年
著者:氏家 清和
所属:筑波大学

  • 社会文化
  • マーケティング

要旨

 本稿では、近年成長が著しいヨーグルト市場を事例に、スキャナーパネルデータならびにヨーグルトに関する新聞記事件数を組み合わせてデータセットを作成し、ヨーグルトの市場構造ならびにヨーグルトの需要関数を分析した。市場構造については、アソシエーション分析の一手法であるJaccard 係数による商品ごとの顧客の重複度合いを手掛かりに、クラスター分析等によりアプローチを行った。また、ヨーグルトについての需要関数については、0 消費データが多数みられることから、トービットモデルを需要関数として採用したともに、階層ベイズの手法により、消費者の選好異質性についてもモデルの中に組み入れて分析した。
 分析の結果、小容量型の商品は、様々なメーカーの商品が多数含まれており、競争が激しいことが示唆された。その中で、一部のメーカーは比較的ロイヤルティの高い顧客を獲得して、競合関係からやや距離をとることに成功していることが示された。また、特定保健用食品としての表示も、差別化要因として機能しているようであった。ヨーグルトの需要関数については、階層ベイズモデルとしてトービットモデルを推定した。階層ベイズモデルによる消費者の選好異質性は、定数項、価格係数、記事件数係数、トレンド項で存在することが示され、全体的な傾向だけではなく、個人間の差異について注目する価値があることが示された。ただし、個人パラメータと世帯属性との関係性については決定係数が低く、十分解明できなかった。また、記事件数の影響についても十分に検出することができなかった。これらの点は今後の課題としたい。

「あたらしいミルクの研究リポート」のご紹介

 この研究をもとに、「あたらしいミルクの研究リポート」を作成しました。

2020年3月9日