2013年
著者:大久保礼由
所属:弘前大学大学院医学研究科社会医学講座

  • 健康科学
  • 各ライフステージ

要旨

【目的】現在、肥満を起因としたメタボリックシンドローム(糖尿病、高血圧症、脂質代謝異常症)などの生活習慣病の増加が大きな健康問題の一つとなっている。近年、牛乳や乳製品の摂取がメタボリックシンドロームをはじめとした生活習慣病の予防に有効である可能性が報告されている。以前、本研究チームは、腸内細菌である乳酸菌が肥満予防に有効である可能性を報告した。そこで本研究では、牛乳・乳製品の摂取が生活習慣病パラメーターに与える影響について、腸内細菌を含めて検討した。
【方法】岩木健康増進プロジェクト・プロジェクト健診に参加した20歳以上の一般住民1,016名を対象とした。アンケート、身体測定、血液検査、腸内細菌測定を行った。牛乳・乳製品の摂取が生活習慣病パラメーターに与える影響について、腸内細菌を含めて検討した。
【結果】女性において、牛乳・乳製品摂取量とヘモグロビン、牛乳・乳製品摂取量とBifidobacteriumの間に正の相関関係を認め、牛乳・乳製品摂取量とPlasminogen activator inhibitor-1(PAI-1)の間に負の相関関係を認めた。男性において、牛乳・乳製品摂取群の中性脂肪>150 のオッズ比は、非摂取群を対照に0.461(95% Confidence Interval: 0.264-0.806)であった。女性において、牛乳・乳製品摂取群の脂質異常症のオッズ比は、非摂取群を対照に0.596(0.366-0.972)であった。
【考察】マウスにBifidobacterium を投与にすると、脂質代謝が改善するといった報告がされている。本結果から、牛乳・乳製品摂取によって腸内Bifidobacterium が増加し、脂質異常症のリスク低下につながり、動脈硬化を予防できる可能性が示唆された。また、牛乳・乳製品摂取は、Bifidobacterium を増加させ、鉄吸収が促進したことで貧血予防にも有効である可能性が示唆された。

書籍ページURL
http://www.j-milk.jp/tool/kenkyu/berohe000000jgmy.html 

2015年9月18日