2009年
著者:石田裕美
所属:女子栄養大学給食・栄養管理研究室

  • 健康科学
  • その他

要約

本研究は、女子中学生、高校生を対象者として牛乳摂取量と鉄栄養状態の関係を検討することを目的とした。鉄栄養状態の指標としてはヘモグロビンおよびフェリチン濃度を観察するとともに、不定愁訴を指標とした。調査対象者には朝食欠食者がほとんど認められなかった。横断的観察では、日常的な牛乳摂取状況によって鉄栄養状態に違いは認められなかったが、高校生においては、牛乳摂取習慣がある者のほうが栄養素摂取量は有意に多かった。一方、中学1年から高校3年生までの5年間を縦断的に観察した結果、不定愁訴数の多い生徒は、少ない生徒に比較して体脂肪率が高く、潜在性鉄欠乏に近い状態の血清フェリチン値であり、また朝食欠食の日数も多く、鉄摂取量も少なかった。牛乳の摂取状況は有訴数の少ない者のほうが多い者より摂取量が多い傾向にあったが統計的に有意性は確認できなかった。思春期の女子の鉄栄養状態を評価するにあたり不定愁訴の訴え状況でスクリーニングすることの有効性が示唆された。

書籍ページURL
https://www.j-milk.jp/report/paper/commission/9fgd1p000001mnub.html

2015年9月18日