2009年
著者:中村和利
所属:新潟大学大学院医歯学総合研究科地域予防医学講座 社会・環境医学分野

  • 健康科学
  • 各ライフステージ

要旨

カルシウムは日本人に不足している最も代表的なミネラルであるが、日本人閉経後女性のカルシウム低摂取の骨への悪影響を明らかにした疫学研究は少なく、介入研究は見られない。本研究の目的は、ランダム化比較試験(RCT)のデザインを用いて、カルシウム摂取量増加の骨量低下抑制作用を明らかにすることである。閉経後女性450人のボランティアを募り、次の3群のいずれかにランダムに割り付けた。すなわち、1)カルシウム250mg/日を服用する群(150人)、2)カルシウム500mg/日を服用する群(150人)、3)プラセボを服用する群(150人)である。予定通り、450人のボランティア参加者を集めて、介入試験を開始した。2008年11月にベースライン医学検査を行ない、2009年11月に1年後中間検査を行なった。アウトカムは腰椎および大腿骨頸部骨密度、血中副甲状腺ホルモン濃度、オステオカルシン濃度(骨形成の指標)、Type I collagen crosslinked N-telopeptides濃度(骨吸収の指標)であった。ベースラインにおける参加者のカルシウム摂取量の平均値は490mg/日であった。中間医学検査では、425人(94.4%)が参加し、この時点で、錠剤の服用を中止するとした者は28人(6.6%)であった。2010年11月に最終検査を行なう予定であり、高い参加率が期待される。

書籍ページURL
https://www.j-milk.jp/report/paper/commission/9fgd1p000001mnub.html 
キーワード:
介入試験カルシウム骨粗鬆症予防骨密度

2015年9月18日