2006年
著者:中 田 由 夫
所属:筑波大学大学院人間総合科学研究科

  • 健康科学
  • 各ライフステージ

要約

本研究では,「牛乳を飲むと太る」という誤った理解を払拭するエビデンスの1つを提供するために、減量期間中の牛乳乳製品摂取量と体重減少量や血清脂質などの改善度との関連性を検討し、牛乳乳製品摂取量の多少によって減量効果が左右されないという仮説を検証することとした。対象者は、3ヵ月間の減量教室に参加した女性170名(平均年齢44.8±8.1歳)であり、減量前後に、形態、身体組成、腹部体脂肪分布、血圧および血液生化学項目、持久性体力を測定し、減量期間中の牛乳乳製品摂取量を3日間の食事記録から1日あたりの平均摂取量として算出した。減量教室を完遂し、食事記録の分析が可能であった148名について検討した結果、体重は8.6±3.1kg減少し、ほとんどの測定項目が改善した。牛乳乳製品の摂取量の4分位によって4群に分けて検討したところ、減量期間中に牛乳乳製品を最も多く取っている群(365~630g)の体重減少量は、牛乳乳製品をあまり取っていない他の3群(0~364g)と比べて有意差はなく、減量期間中の牛乳乳製品摂取は体重減少のしやすさに影響を及ぼさないことが示唆された。牛乳乳製品摂取量と各測定項目の変化量との関連を検討したところ、牛乳乳製品摂取量が多いほど、腹部皮下脂肪面積が減少しやすいことが示唆される一方で、骨塩量、HDLコレステロール、LT時酸素摂取量とは負の相関関係がみとめられた。以上の結果から,「牛乳乳製品をとるとやせにくい」ということはなく、減量期間中に積極的な牛乳乳製品の摂取を勧めても、体重減少量の面では問題がないことが示唆された。

書籍ページURL
http://www.j-milk.jp/tool/kenkyu/gakujutsu/9fgd1p000001a8l5.html

キーワード:
牛乳乳製品減量効果体重減少量血清脂質

2015年9月18日