2004年
著者:細井孝之
所属:東京都老人医療センター内分泌科

  • 健康科学
  • 各ライフステージ

要旨

本研究は、マウスを用いたin vivo系を用いて、牛乳中に含まれている二糖類である乳糖(ラクトース)による減量・抗肥満作用について生体内での効果を明らかにすることを目的とした。
4週齢ICR系雌マウス(56匹)について
② Control食群(Cont.)、
② Control食のコーンスターチのうち、飼料重量の10%をラクトースに置き換えたラクトース10%食群(Lac.)
③ Control食のコーンスターチのうち、ラードに置き換え、脂質エネルギー比率を40%に調整した脂質40%食群(High fat)
④ Control食のコーンスターチのうち、ラードに置き換え、脂質エネルギー比率を40%に調整した脂質40%食群(High fat)にさらに飼料重量の10%をラクトースに置き換えた脂質40%・ラクトース10%食群(High fat Lac.)
の4群に分けた。飼育期間中、体重を2日おきに測定した。84日間飼育した後、小腸ALP比活性を測定した。
High Fat群の最終体重は、Cont.群に比べて有意な高値を示し、High fat Lac.群は、High Fat群に比べ、有意な低値を示した。一方、Lac.群とCont.群間には有意な差はみられなかった。
小腸ALP比活性では、High Fat群およびHigh fat Lac.群はCont.群に比べ、低値傾向を示したが、有意な差はみられなかった。
これらのことから、ラクトースが高脂肪食において体重増加を抑制している可能性が示された。本研究の結果は、乳糖(ラクトース)を含んだ乳製品の摂取と脂質摂取との関わりを示した結果であり、生活習慣予防の観点からも今後の研究の発展が期待される。

書籍ページURL
https://www.j-milk.jp/report/paper/commission/8d863s000004dmbk.html

2015年9月18日