1994年
著者:鹿屋体育大学
所属:鹿屋体育大学

  • 健康科学
  • その他
 鉄欠乏は特に開発途上国で深刻であるが、先進諸国においても無視できない未解決の健康問題の一つである。我が国においても、特に女性スポーツ選手に顕著な鉄欠乏が報告されている。鉄欠乏は血中ヘモグロビン(Hb)や組織中鉄含有タンパク質の合成を抑制する。従って、血液による酸素運搬のみならず組織における酸素利用も低下するため、筋及び全身持久カも減少してしまう。
鉄の静注や鉄剤の経口投与などにより、鉄欠乏は軽減できる。しかしながら、鉄の過剰投与は危険でもあり、出来るなら食事による治療や予防が望ましいのは当然である。我々はカルシウム代謝調節機構を追求する目的で牛乳を使った研究も実施しているが、鉄及び鉄代謝調節に関する研究にも牛乳の利用を実施している。牛乳中の鉄含有量が少ないのは欠点でもあるが、鉄含有量を低-高レベルへ自由に調節できる訳であるから、考え方を変えると利点でもある。鉄投与量の違いが、筋代謝に及ぼす影響を追求中であるが、今回は筋中高エネルギーリン酸含有量が低下するくらい鉄欠乏が強度な場合の鉄代謝について報告したい。尚、鉄欠乏ではないが、筋中高エネルギーリン酸レベルが低いグループも加えて、筋代謝調節メカニズムを検討した。

書籍ページURL
https://www.j-milk.jp/report/paper/commission/9fgd1p0000021rh3.html

2015年9月18日