1993年
著者:内藤周幸
所属:帝京大学医学部第一内科客員教授

  • 健康科学
  • 各ライフステージ
人口の高齢化に伴なって老人における骨粗鬆症とそれに伴う併発症が国内外ともに大きな問題となっているが、例えば腰椎の骨折率は腰椎の骨密度(bone mineral density: BMD)と密接に関係しており、若年時の最大骨量の約66%に低下すると50%の症例に、その約47%に低下すると90%の症例に骨折が発生するといわれている。すなわち、最大骨量が高いと骨折の危険域に達する年齢は遅く、逆に最大骨量が低いと早く達し、また、閉経後の骨量減少率が小であると骨折の危険域に達する年齢は遅く、逆に骨量減少率が大であると早期に危険域に達するという。
そこで実際には老人や閉経期婦人にカルシウム摂取の増加を奨励して、閉経後の骨量減少率をできるだけ小さくしようとする試みが種々行われているが、若年時にカルシウム摂取量を増加させて最大骨量を増加させようという臨床試験は殆どおこなわれておらず、また経口摂取するカルシウム量をどのくらい増加させれば、最大骨量がどのくらい増加するかも殆ど知られていない。従ってこの問題について、若年女性の協力を得て、randomized clinical trialを行おうとするものである。しかし、以下の方法にしめしたように、この試験は長期の試験であり、この報告書では前値(観察期)の測定値のみを報告する。

書籍ページURL
https://www.j-milk.jp/report/paper/commission/9fgd1p0000021tvd.html 

2015年9月18日