1991年
著者:板倉弘重
所属:国立健康・栄養研究所臨床栄養部

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はじめに

日本人の血清脂質レベルは増加傾向にあり高脂血症の発症率が高率となっている。高脂血症は動脈硬化の主要な因子の1つであり、動脈硬化の発症予防のためには高脂血症を予防し治療することが大切であるとされる。高脂血症の原因として遺伝素因と環境因子とがあげられ、環境因子としては食事性因子が大きな比重を占めている。日本で高脂血症の発症率が増加している主要な原因は食生活にあると考えられる。
牛乳はカルシウムや蛋白質の補給に重要な食品であることが知られているが、一方ではコレステロールを高める食品であるから控え目にした方が良いとも云われ、高脂血症患者では牛乳摂取量を少くしている。そこで我々は牛乳乳製品が脂質代謝にどのような影響を与えるかを検討し、その摂取に対する血清脂質濃度の変動に個体差のあることを認め、その要因の1つとして遺伝子多型について分析した。

書籍ページURL
https://www.j-milk.jp/report/paper/commission/9fgd1p0000021ull.html

2015年9月18日