1990年
著者:富田多嘉子
所属:静岡県立大学薬学部

  • 健康科学
  • 各ライフステージ
高血圧の発症には多数の因子が関与し、それは遺伝因子(宿主因子)と環境因子に大別される。環境因子の中で重要なものの一つに食塩がある。古来日本人の食塩摂取量は欧米人に比しかなり高く、食塩過剰摂取による高血圧をはじめとする様々な弊害が問題となっている。実際血圧と寿命との聞には強い関連がある。一方コーカサス地方に代表されるいわゆる“世界の長寿村"に住む人々の牛乳の摂取量が極めて高く牛乳と長寿との関連が示唆されている。乳清は牛乳にレンネットを作用させ凝集する物質を除去した上清画分である。これよりさらに高分子蛋白質や乳糖を除去した水溶性画分(乳清低分子園分・WM)は低分子蛋白質の他、Na, K, Ca, Mgなどの電解質、水溶性ビタミンなどを豊富にかつ均衡のとれた状態で含有している。本研究ではWMの血圧に対する作用をヒト本態性高血圧に最も類似しているとされる高血圧自然発症ラット(SHR)を用い検討した。

書籍ページURL
https://www.j-milk.jp/report/paper/commission/9fgd1p0000021u7u.html

2015年9月18日