2020年度「牛乳乳製品健康科学会議」学術研究に採択された、国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所 国立健康・栄養研究所 国際栄養情報センター 宮川尚子 先生の研究成果が、Journal of Human Hypertensionに論文採択されるとともに、第31回日本疫学会学術総会(オンライン開催) において発表されましたので、ご紹介いたします。*論文公開アドレスを掲載しました。(2021年3月11日)

○Journal of Human Hypertension
【タイトル】Association between the prevalence of hypertension and dairy consumption by housing type among survivors of the Great East Japan Earthquake
【雑  誌】Journal of Human Hypertension
      https://www.nature.com/articles/s41371-021-00500-z
      PubMedからはこちら https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/33654239/ 

○第31回日本疫学会学術総会(オンライン開催)
【演題名】 東日本大震災被災者における住居状況別にみた高血圧有病率と乳製品摂取の関連:RIAS研究
【学会名】 第31回日本疫学会学術総会(オンライン開催)
【発表形式】一般口演(リアルタイム配信)
【発表日】 2021年1月28日 14時~15時

【要約】
大規模な自然災害の被災者では循環器疾患や高血圧のリスクが高くなることがわかってきました。しかしこれらを予防する食生活についての報告はまだ少ないのが現状です。そこで、岩手県の東日本大震災被災地域の一般住民を対象とした大規模コホート(RIAS)の参加者9569人(平均年齢61.0歳、女性割合61.2%)を対象として、被災約半年後の高血圧(収縮期/拡張期血圧140/90mmHg以上または高血圧治療中)の有病リスクと乳製品の摂取頻度の関連を、住居の形態別に横断的に検討しました。住居形態は、調査時点での仮設住宅および避難所居住者を仮設住宅居住者、それ以外を非仮設住宅居住者としました。その結果、高血圧の有病リスクは住居形態に関わらず乳製品の摂取頻度が高いほど低く、この関連は、仮設住宅居住者において強くみられました。高血圧のリスクが高い自然災害の被災者において、乳製品の摂取量を増やすことが高血圧予防に役立つ可能性が示唆されました。

※2020年度学術研究の採択研究を中心にまとめられました。

【参考】
・2020年度「牛乳乳製品健康科学会議」学術研究の選考結果
http://m-alliance.j-milk.jp/koubo/2020/kenkokagaku.html
※本研究は継続研究中のため、研究報告書は、研究終了後(2022年度以降)に掲載となります。

2021年2月26日