乳の社会文化ネットワークの設立

 平成24年4月8日(日)東京において、(社)日本酪農乳業協会との共同事業として、乳の利用と酪農乳業の発展に関する社会的・文化的な研究を通して、近未来のわが国乳文化の創造に積極的に貢献するため、設立趣旨書のとおり社会文化分野の研究者等で構成する「乳の社会文化ネットワーク」を設立した。
 
本ネットワークは乳の社会的・文化的価値に関心を共有する幅広い領域の研究者を中心に組織し、名簿のとおり代表幹事に西日本食文化研究会主宰和仁皓明氏、副代表幹事に名古屋大学大学院教授生源寺眞一氏、事務局長に(社)日本酪農乳業協会専務理事前田浩史氏を含む幹事9名を選任するとともに、初代会員8名を含め17名の会員で発足した。
 
主な事業内容は、①6分野の研究テーマの中から4件程度の指名委託研究、及び6分野の研究テーマに関連するテーマから4件程度の公募による委託研究、②研究レポート発行などの情報収集提供活動、③乳の社会文化に係る研究者交流活動、④乳の学術連合とのフォーラム等の開催、⑤乳の学術連合セミナーへの協力等となる。

「乳の社会文化ネットワーク」設立宣言

   わが国における乳の歴史は、庶民の食品としての利用という点では、明治維新以降の欧米文化の受容とともに始まるが、本格的な普及の段階を迎えるのは第二次大戦後のことであった。
 戦後の爆発的な乳消費の拡大は、国民の多くに乳糖不耐という生理的な制約があったことを考慮するならば、過去に類例のない画期的なできごとであった。その背景には、一方で米国からの食料支援などを通じた欧米型食生活の導入、なかでも学校給食制度による牛乳摂取の拡大があり、他方で酪農振興政策と乳業ビジネスの発展・拡充があった。
 わずか半世紀あまりの期間に、それまでほとんど経験のなかった乳の利用が国民のあいだに広く定着した。今日の国民1人当たりの乳製品摂取量は生乳換算で90キログラムに達しており、国内の牛乳乳製品市場は1200万トンという巨大な規模に成長した。東アジアの島国に新たな乳の文化が形成されたわけである。
 もっとも、わが国の乳の文化を欧米のそれと同一視することはできない。乳製品の摂取形態に違いがあり、そもそも摂取量にも大きな開きがある。しかも、わが国の乳の利用状況はいまなお変貌を遂げつつある。このような乳文化の形成過程を綿密にトレースし、現代日本の乳利用の特質について社会的・文化的な視点に立った研究を推進することの意義は大きい。
 なによりも、わが国の乳文化の独自性を時代的な背景とともに解明することを通じて、乳を生産・供給する酪農乳業の産業的・文化的な役割が改めて明確になる。一方、アジアの国々では、経済成長段階への離陸とともに乳製品の消費が急速に拡大しつつある。ひと足先に先進国入りした日本の乳をめぐる研究を深めることは、アジア諸国の食生活の改善と酪農乳業の発展にも寄与することであろう。
 乳の利用は奥が深い。人々の乳製品の消費行動は、乳の栄養健康機能という科学的に説明可能な要因によって促されるだけではない。乳の利用には乳の社会的・文化的な価値への人々の共感が働いている。言うまでもなく、乳の社会的・文化的価値には時代の生活環境や価値意識が鋭敏に投影されるとともに、その根底には日本固有の風土と歴史が深く息づいている。わが国の乳利用の安定拡大と牛乳乳製品市場の一層の活性化という観点からも、乳の社会的・文化的価値を多角的に考究し、広く社会に情報を発信することの意義は大きい。
 以上の趣旨のもと、本日ここに「乳の社会文化ネットワーク」を設立する。私達は、関心を共有する幅広い領域の研究者の参集を得ながら、乳の利用と酪農乳業の発展に関する社会的・文化的な研究を通して、近未来のわが国乳文化の創造に積極的に貢献する。 
 
 
2012年4月8日 
 
代表発起人 生源寺眞一
発起人 鵜川洋樹 江原絢子 大江靖雄 栢英彦 小長谷有紀 細野明義 和仁皓明

「乳の社会文化ネットワーク」会員名簿、設立総会時会員名簿

会員名簿  2017年4月 PDF 

設立総会時会員名簿  PDF

運営規約、入会申込書

こちらからご覧ください。

「乳の社会文化ネットワーク」運営規約
平成27年3月31日 改訂
(PDFファイル)

(様式1)乳の社会文化ネットワーク入会申込書、 (様式2)入会推薦書
(wordファイル)

(様式3)退会届
(wordファイル)

2017年4月5日