2014年
著者:Kadison, Julia
所属:Milk PEP
雑誌名・年・巻号頁:Dairy Foods. March, 2014, Vol. 115 Issue 3, p12, 2 p.

  • 社会文化
  • マーケティング

<要約>

ミルク産業は近年、困難に直面しており、牛乳の売上高は4期連続減少を記録している。経済の不安定、人口トレンドや飲料間の激しい競争など市場動向はなかなか厳しい。このような困難に立ち向かい、現状を打開するためにMilkPEPは、現代の消費者にぴったりな牛乳独自の栄養価ストーリーの宣伝を強化している。 牛乳は、アメリカのたいていの家庭で飲まれているが、アメリカ人の多くは牛乳の完全な栄養価に気づいておらず、特に高品質プロテインが牛乳に含まれることを知らない。今やプロテインは急速に人気が出ており、最も求められている栄養成分の1つになっている。 この傾向に合わせて多くの食品・飲料には急にプロテインが添加されるようになっているが、牛乳は元々天然に、消費者が必要とする高品質のプロテインを含有している。 MilkPEPは、牛乳消費の半分以上となっている朝食時の牛乳摂取促進を、従来から継続して推進しているが、朝食時のプロテイン摂取では1日に必要とするプロテインがまだ不足していることが指摘されている。朝食時の、このプロテインギャップをてこ入れすることが牛乳消費拡大の大きなチャンスになる。このためにまず必要なことは、次のように有無を言わさぬやりかたで牛乳の高品質プロテインを宣伝することだ。 ・牛乳をヒーローとしてプロテインをスーパーパウダーとすること ・競争的な差別化を創りあげること ・文化的に優れたモノであるという存在感を創りあげるために牛乳を今風に仕立てること ・ターゲットとなる人々が牛乳を熱望するように仕向けること ただし単純に上記のことを語るだけでは不十分であり、感情面での訴求が必要である。8オンス毎に8グラム含まれるプロテインを毎日摂取し始めることでいかに消費者が自身の可能性を強化できるかを示す必要がある。このような理由でMilk PEPは、パイオニア的な全国統合マーケティングキャンペーンである『ミルクライフ』を始めている。この複数年にわたるマルチチャネルキャンペーンは、テレビ、印刷媒体、インターネット、消費者向けプロモーション、流通向けプロモーション、PR、SNSで行われている。しかしながら、さらに勢いを強化するためにはミルク加工業者の協力がなお必要である。 

<コメント>

牛乳の優れた点は数多くある。しかしながら、ただ声高にそれを唱えるだけでは不十分であり、感情面での訴求も重ね合わせることが重要である。アメリカのミルクライフの事例が示すように、牛乳をヒーローとしてプロテインをスーパーパウダーとすることも『ポパイのほうれん草』のように効果のある例と考えられる。日本では小さい子供向けに実施する価値があるかも知れない。

書籍ページURL https://www.j-milk.jp/report/paper/alliance/berohe000000j5tk.html

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2015年9月21日