2006年
著者:Fengxia Dong
所属:Center for Agricultural and Rural Development, Iowa State University, 571 Heady Hall, Ames, IA 50011, USA
雑誌名・年・巻号頁:Food Policy, 31(2006), 260-271

  • 社会文化
  • マーケティング

<要約>

 この論文では、最初に主要なアジア諸国の牛乳・乳製品市場の10年間の状況をワールド・デイリー・モデルに基づいて概観する。その対象となる国は、中国、インド、インドネシア、日本、韓国、マレーシア、フィリピン、タイ、ベトナムである。次に、Heienとwessells(1988)の技法を用いて、所得の増加、人口増加、価格の変化、都市化によって生じた牛乳・乳製品消費量の爆発的な拡大をこれらの影響要因毎に分解してみる。またこのワールド・デイリー・モデルを用いて、この論文では、アジアにおける牛乳・乳製品の消費と世界の価格に対して、アジアの高所得者層増加とテクノロジー進歩がどの程度影響するかということに関して、2つの仮説を分析している。
これらの概観からは、劇的に重要は拡大しているが、欧米に比べて一人当たりの消費量は未だに低いままであるアジアの牛乳・乳製品の消費は次の10年には力強く拡大することが予想されている。この消費拡大のほとんどの原因となっているのが所得の伸びと人口増加である。特に日本と韓国では、所得の伸びと学乳の採用で牛乳・乳製品消費が急速に伸びたことはよく知られている。この結果、アジアでの牛乳・乳製品の消費拡大により世界の牛乳・乳製品の価格は上昇することになるだろう。そしてシミュレーションの結果からは、アジア諸国のテクノロジーの進歩や国内生産・加工の増加により、世界の牛乳・乳製品の価格はある程度抑え込まれることがわかったが、その一方で国内の牛乳・乳製品消費は拡大することになると予想される。

<コメント>

 このようなマクロ的な牛乳・乳製品の分析も価値があるが、特にその結果に価値がある。この分析結果から世界での牛乳・乳製品の需要は途上国を中心にこれから爆発的に増え、そうなると世界での牛乳・乳製品の価格も上昇する可能性が高い。そうなれば、コスト面で後れを取っていた日本も更なるコストダウンを図れば世界での競争力が増してくることになる。そのタイミングを考えて、どう動くべきかを日本も考えておく必要がある。

書籍ページURL
http://www.j-milk.jp/tool/kenkyu/berohe000000j5tk.html

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2015年9月21日