2013年
著者:湯川晴美
所属:國學院大學栃木短期大学 人間教育学科 生活健康フィールド

  • 健康科学
  • その他

要旨

在宅高齢者における「元気で長生きをするための食生活」の方策を立てるための基礎資料として、在宅高齢者における栄養摂取に関する長期縦断研究を行った。同一者の5 年間にわたる追跡調査から、食物摂取状況の加齢変化を検討し、さらに乳・乳製品摂取と生命予後との関連をみた。対象者は東京都内在住の65-79 歳までの161名(男性72、女性89)であった。ベースライン時は男女ともにエネルギー、たんぱく質、脂質、カルシウム、鉄、ビタミン類は栄養所要量を上回っており、緑黄色野菜、果実類、魚介類、肉類、油脂類、乳・乳製品の摂取量が多く、とくに乳・乳製品は全国の平均摂取量を上回っていた。追跡調査においても、栄養素等の充足率でみると、所要量を満たし、乳・乳製品は増加傾向がみられた。乳・乳製品摂取と生命予後との関連では段階的な関係があり、乳・乳製品摂取の低い群の死亡率は高い傾向にあった。今回の縦断研究から「元気で長生きのための食生活のすすめ」とは、年をとっても摂取目標量を維持し続けること、高齢期において乳・乳製品を摂取し続けることが示唆された。

書籍ページURL
https://www.j-milk.jp/report/paper/alliance/berohe000000jgmy.html

2015年9月18日