2010年
著者:中井雄治
所属:東京大学大学院農学生命科学研究科

  • 健康科学
  • 免疫調節・がん

要約

ラットにタンパク質源をカゼイン、ホエーとした2種類の高リン食を21日間投与し、腎臓における遺伝子発現プロファイルの変化を、DNAマイクロアレイを用いて解析した。いずれの群も高リン食摂取によって体内のリン保留量は増大しなかったが、吸収量・排泄量ともに顕著に増大し、生体内を大量のリンが通過していた。解剖学的所見では、いずれの群も腎臓に明確な石灰化が認められた。DNAマイクロアレイによる解析では、タンパク質源をホエーとした高リン食摂取群の腎臓において、タンパク質源をカゼインとした群と比べて炎症・免疫に関わる遺伝子群が顕著に発現低下していることが明らかとなった。このことから、食餌中のタンパク質源をホエーとすることにより、高リン食に起因する腎臓における炎症反応が抑制されることが示唆された。

書籍ページURL
https://www.j-milk.jp/report/paper/commission/9fgd1p0000022nlp.html

2015年9月18日