2005年
著者:大石祐一
所属:中部大学応用生物学部

  • 健康科学
  • その他

要旨

牛乳は、ヒトの食生活に欠かせないものになっている。しかし、チーズ等の作製においては、ミネラル濃縮ホエーという残渣が残り、その産業的な使用法は定かでない。一方、老齢社会を迎えた日本にとって、健康維持における食の重要性は益々高まっている。皮膚は、様々な細菌等から体を守る役割と体内の水分の蒸散を抑制する大きな役割を果たしており、健康のために皮膚機能の維持は非常に重要である。そこで、今回、ミネラル濃縮ホエーの皮膚機能で重要な役割を果たしているヒアルロナン代謝への影響を検討し、その産業への応用が可能であるかを明らかにすることにした。
ミネラル濃縮ホエーとして2種類(Fondolac SL、Champiolact 28/13)を選択し、5%濃度で2週間ラットに給餌した。その結果、タンパク質栄養が不足である状態(6%カゼイン食)において、ヒアルロナン合成酵素1、2、および3のmRNAを増加させる傾向が認められた。しかし、皮膚ヒアルロナン量に影響を与えなかった。本結果は、ミネラル濃縮ホエーがヒアルロナン合成系に影響を与える可能性を示唆した。今後、ミネラル濃縮ホエーの皮膚ヒアルロナン代謝に与える影響を解明する上で、ヒアルロナン分解系の研究も必要であると考えられた。

書籍ページURL
https://www.j-milk.jp/report/paper/commission/8d863s000006ur12.html
キーワード:
ミネラル濃縮ホエー(Fondolac SLChampiolact 28/13)ヒアルロナンヒアルロナン合成酵素

2015年9月18日