2002年
著者:田中喜代次
所属:筑波大学体育科学系

  • 健康科学
  • 各ライフステージ

要約

体重が骨量に影響を与える図子の1つであることはよく知られているが,減量と骨量の関連性についての結論はいまだ得られていない。本研究では,カルシウムとたんぱく質を十分に摂取させ,除脂肪量を維持しながら体重を減少させることができれば,減量に伴う骨量の減少を抑制できるという仮説を検証した。対象者は,中年肥満女性63名(平均年齢41.9±7.3歳)であり,食事制限のみをおこなうD群21名と,食事制限に加えてウォーキングを実践するDW群21名,食事制限に加えてレジスタンストレーニングを実践するDR群21名に分けられた。減量前後の測定を受けた53名について検討した結果,体脂肪率については時間×介入方法の交互作用がみとめられたが,筋量については群間差がみとめられず,すべての群で有意に減少した。骨密度については,D群において全身骨骨密度が,DW群において橈骨骨密度が有意に減少したが,DR群ではいずれの骨密度も維持された。以上の結果および先行研究で得られている知見を総合すると,牛乳・プロテインを付加することによって骨量の減少が抑制されると推察されるが,この点については,今後のより詳細な検討が必要である。

書籍ページURL
https://www.j-milk.jp/report/paper/commission/9fgd1p0000021dl2.html 
キーワード:
減量骨密度牛乳プロテイン

2015年9月18日