2001年
著者:白木正孝
所属:成人病診療研究所

  • 健康科学
  • 各ライフステージ

要約

日本人女性において骨代謝関連ビタミンの参照値を決定し、異常値の臨床的意義について検討した。検討した項目は25-0H vitamin D(25-D)、1,25(OH)2 vitamin D(1,25-D)、intact PTH、ビタミンK、およびundercarboxylated osteocalcin(uc-OC)である。ビタミンD代謝産物およびPTHは多数例の分布から25percentileもしくは75percentile値以下または以上を異常値とした。またビタミンKについては閉経後女性の25percentile以下を不足とし、uc-OCについては閉経前女性の平均+SD、vitamin K2 userの平均+SD上限をcut-off値とした。
25-Dのcut-off値は約15.0ng/ml、1,25-Dは40pg/ml、PTHのそれは40pg/mlと定められた。このカットオフ値からみた異常値群の臨床的outcomeは高代謝回転であり、25-Dの異常群のみが新規骨折の発生が早期に起こり、亀背をもつものが多かった。1.25-DとPTHの異常群は骨形態変化を持つものの頻度は高くなかった。
uc-OC 4.5ng/ml以上および総ビタミンK濃度3.0ng/ml以下をビタミンKに関する異常値とすると、異常群は骨折の有病率が高く、血管障害の有病率が高かった。また一般に高代謝回転であった。
以上より骨関連ビタミンとその関連ホルモンの参照値には臨床的に有意義であると考えられた。

書籍ページURL
https://www.j-milk.jp/report/paper/commission/9fgd1p0000021dt1.html 

2015年9月18日