2000年
著者:高野健人
所属:東京医科歯科大学大学院歯学総合研究科

  • 健康科学
  • 各ライフステージ

要約

都市のみで生育した幼児419人と地方より都市に移り住むようになった幼児77人をそれぞれ都市型の子ども群、地方型の子ども群とし、小学校1年生時、小学校2年生時まで追跡調査を実施した。小児脛骨皮質骨超音波伝播速度計測システム計測による子どもの骨強度、身体発達、栄養および運動スポ—ツ、生活時間、ならびに母親の脛骨皮質骨超音波伝播速度、身体計測値、現在および過去の栄養および運動スポーツとその他のライフスタイル、家庭の社会経済状況、主な居住場所の居住環境について調査した。
都市型の子どもと地方型の子どもの身体計調測値、骨密度、握力、健康状態と既往歴、食生活、運動習慣とあそび、生活時間、母親の生活習慣、家庭の社会経済的背景を比較分析し、都市型生活と子どもの健康増進との関連性について考察した。
都会型の子どもは、小学校1年持、2年生時共に、地方型の子どもより体格が優れていたが、骨密度増大率は、相対的に小さくなった。都会型の子どもの食生活は、摂取食品の多様性が少なく、運動時聞が短く、テレビの遊び時聞が長い傾向にあった。出生から幼児期前半までの都会ですごした子どもは、地方に住んだ経験を持った子どもよりも、都市型生活に特徴的なライフスタイルをとっていることが示され、都会の子どもの骨密度増大率が相対的に小さいことと都市型生活との関連が存在する可能性が示唆された。

書籍ページURL
https://www.j-milk.jp/report/paper/commission/9fgd1p0000021e2i.html 
キーワード:
骨密度脛骨皮質骨超音波法追跡研究小学生

2015年9月18日