2000年
著者:橋本勉
所属:和歌山県立医科大学公衆衛生学

  • 健康科学
  • 各ライフステージ

はじめに

老人の骨折は骨粗鬆症を基盤として起こり骨粗鬆症およびそれに伴う骨折の予防は高齢化社会の重要な課題となっている。骨量低下の機序を明らかにするためには前向き(コホート)研究が必要となる。われわれは和歌山県の環境の著しく異なる山間部農村M村と沿岸部漁業の町T町にコホートを設定し、追跡調査を実施している。昨年度は3年間の追跡調査の結果から山間部農村と沿岸部漁業の町とを比較しながら食生活の骨密度に与える影響について報告した。その際、年代により対象者の生活習慣の変容が予想され、いわゆるコホート影響を観察するため、新たに第2コホートを設定して生活習慣との関連について検討する必要性が示唆された。また、閉経前後の骨密度低下が著しいことからエストロゲンやSexhormone binding globulin(SHBG)濃度の関与が示唆された。
本報告書ではM村第1コホートの観察から7年間の骨密度変化を示す。年代による生活習慣の変容と骨密度については第2コホートから断面調査ではあるが骨密度と新たに付け加えた問診事項も含めて生活習慣要因との関連について述べる。また、交絡要因と考えられるエストロゲンやSHBG濃度と骨密度変化についてはT町での調査を報告する。

書籍ページURL
https://www.j-milk.jp/report/paper/commission/9fgd1p0000021e2i.html 

2015年9月18日