1995年
著者:藤田拓男
所属:神戸大学

  • 健康科学
  • 各ライフステージ

はじめに

カルシウムの十分な摂取は骨の健康と骨粗鬆症の予防の上に重要であるが、その最も重姿な摂取源は牛乳であり、欧米と比べて我が国で、カルシウムの摂取の少ない決定的な理由は、牛乳及び乳製品の摂取が少ないことにある。人口の高齢化に伴い骨粗鬆症とその合併症として骨折、脊髄の変形等の運動障害が多くみられる様になり、寝たきり老人増加の重要な原因とされているが、我が国では、牛乳を日常的に摂る習慣がないために欧米先進国に比べてカルシウム採取がきわめて少なく、脂肪、糖質等、他の栄養成分のむしろ過剰な摂り方と比べて著しい対照をつくり、カルシウム不足は危機的な状況にあるとされる。寝たきり老人をなくすためには、若い女性から始めて、骨の健康に関心を持ち、牛乳を中心としてカルシウムの摂取量を心掛けることが必用である。本研究は年齢18-19才の女子学生ボランティアに1日600mlの牛乳を1週間飲用する週と、プラセボカプセルを1週間飲用する週とを交代させ、骨代謝に対する影響を調べ、日常生活の範囲内での牛乳の骨の健康に対する効果を検討した。

書籍ページURL
https://www.j-milk.jp/report/paper/commission/9fgd1p0000022ll2.html

2015年9月18日