1995年
著者:石井直方
所属:東京大学大学院総合文化研究科生命環境科学系

  • 健康科学
  • その他

研究目的

牛乳および牛乳を原料とした食品は、多種のビタミン、ミネラルを含む他、身体の構成要素であるアミノ駿の含有比が理想約であるという特徴を持ち、必須アミノ酸含有量に基づくアミノ酸価では多くの場合100と評価される。こうした特徴は、身体の成長にとって有用であるばかりでなく、激しい運動による疲労の回復を早め、トレーニングなどの効果を高めるためにも重要であると考えられる。申請者らはすでに、高強度の伸張性筋運動(エキセントリックトレーニング)後に生ずる長期的な筋疲労の回復過程を経時的に分析することが、疲労回復過程を定量的に検定するよい手段となりうることに着目し、イソロイシン、ロイシン、バリン、グルタミンなどを主成分としたアミノ酸補助食品が筋疲労の回復を早めるかを調べた(石井、小林、杉田、公表準備中)。Double blind testによる同一被検者での繰り返し検定の結果、これらのアミノ酸を摂取することにより、筋力回復過程の時定数が有意に低下する(疲労回復が早められる)ことが判明した。上記の通り、牛乳を原料とした食品には、これらのアミノ酸が豊富に含まれる上、ビタミン、ミネラル類との間での相乗作用の可能性も考えられるので、アミノ酸補助食品の場合と同様の効果があるものと期待される。本研究の目的は、申請者らの行っている検定法を用いて、牛乳乳製品の摂取が筋疲労の回復課程を改善するかを調べるものである。

書籍ページURL
https://www.j-milk.jp/report/paper/commission/9fgd1p0000022ll2.html

2015年9月18日