1994年
著者:山口正弘
所属:順天堂大学スポーツ健康科学部栄養生化学

  • 健康科学
  • その他
 トレーニングの効果を高めるためには、運重によって生じた筋肉疲労を速やかに、しかも十分に回復させることが必変である。
今までのラットを用いた「発育課程の走運動トレーニング・ラットに及ぼす牛乳および砂糖の影饗」の研究結架から、牛乳を十分摂取した運動トレーニング・ラットの胸筋にグリコーゲンが対照ラットの160-180%と増加していた。また、走運動によって疲労困憊したラット脚筋の枯渇したグリコーゲンの回復には牛乳が大きな効果を示した。しかし脂肪を大豆油で補正した脱脂粉乳飼料ではこの様な現象が見られなかったことから牛乳に含まれる脂肪の質的な差異によると考えられた。
乳脂と大豆油の質的差異は前者には短鎖脂肪療が多量に含まれていることである。牛乳及び乳製品に特異的に含まれる短鎖脂肪酸のうちで特に酪酸(butyric acid)は全脂肪酸の10%を占めている。そこで、酪酸を用いて運動トレーニングや競技等で生ずる筋肉疲労の回復のための栄養補助剤としての可能性を検討した。

書籍ページURL
https://www.j-milk.jp/report/paper/commission/9fgd1p0000021rh3.html

2015年9月18日