1992年
著者:黒田善男
所属:日本女子体育大学

  • 健康科学
  • その他

緒言

 女子の新体操、器械体操、フィギュアスケート等の採点競技は、柔軟なからだと高いジャンプ力を必要とする競技であり、体重が重いと不利であると共に技を表現する肉体が美しいプロポーションであることが有利な競技である。そのため、多くの選手は減量を行っている。しかし小林らによれば、全国から選抜された22名(l4-23才)の女子体操選手のヘモグロビン量は平均11.6g/dlであり、選手の50%は貧血傾向でその中18%の選手はl0g/dl未満の顕著な貧血であったという。また河野らによれば、オリンピック強化指定女子選手120名のメディカルチェックの結果、22.5%の者に貧血が認められ、その中新体操選手は50%が貧血で陸上競技選手の56%についで多かったという。この貧血の大部分は鉄欠乏性貧血であったということから、減量のための栄養摂取状況に問題のあることが推測される。
本研究は新体操選手を被検者として、健康に障害のない減量方法を明らかにすることを目的とし、摂取エネルギー量を制限した食事による合宿前後の体重減少と血液性状の変化について検討することを目的とした。

書籍ページURL
https://www.j-milk.jp/report/paper/commission/9fgd1p0000021uzy.html

2015年9月18日