1991年
著者:松崎俊久
所属:琉球大学医学部保健管理学教室

  • 健康科学
  • その他

緒言

小児の成人病とくに高脂血症・肥満について論じられてから既に10年以上が経過した。
この問題は受験戦争が深刻化し、学童生徒が自由に遊べず、外食産業が国民の食生活に大きな影響を与えるようになったことを背景にしている。更にある年齢についてはアメリカの小児より高いコレステロール値を示したことによって、よりクローズアップされた。
しかし、若干の栄養調査を検討すると、「日本人小児に高脂血症が増加している、それは過食のためだ」などと結論できるような単純な問題ではない。それは小児のダイナミックな成長が、栄養摂取状況、第2次性徴の発現、運動量の変化、体格の急激な向上などが背後に存在するからである。
既に松崎らの長寿村(沖縄県大宜味村)と短命村(秋田県南外村)の比較調査で、長寿の要因の一つに沖縄県の栄養摂取のバランスの良さが指摘されている。
当教室は、1988年より沖縄県の3つの地域(宮古、本島北部、那覇)を対象に、児童生徒の生活実態調査及び医学検診を実施し、その地域特性が子供の健康に及ぼす影響を解明することを目的とし調査研究を進めているが、今回は沖縄県の児童生徒の食生活を中心として分析検討を行った。

書籍ページURL
https://www.j-milk.jp/report/paper/commission/9fgd1p0000021ull.html

2015年9月18日