2014年
著者:髙田 和子
所属:国立健康・栄養研究所栄養教育研究部

  • 健康科学
  • その他

要旨

高齢者における食品摂取は、噛みやすさ、手に入れやすさ、調理の簡単さなどが影響する可能性がある。乳製品は摂取しやすさ、調理の手軽さから、高齢者においても摂取しやすい食品と言える。本研究では、高齢者の集団において牛乳・乳製品の摂取量の多い者では、各種栄養素の摂取量が牛乳・乳製品の摂取量の少ない者と比べて、どのように異なるかを検討することとした。
京都府亀岡市において実施された生活圏域調査の回答者13,159 名のうち、1 圏域に在住する比較的健康な高齢者へ身体計測測定への参加を呼びかけ、その参加者1381 名から、さらに詳細な調査への同意の得られた219名を対象に、連続した1週間の食事について調査を行った。食事調査では、対象者に食事記録用紙を配布し、各日朝食、昼食、夕食、間食に摂取したすべての食品名と目安量をできるだけ詳細に記入するように依頼し、回収時には個別に記録の内容を確認した。
乳製品の摂取量と各種栄養素の摂取量及び食品群摂取量の比較及び、乳製品摂取量により3 群に分けた群別に栄養素と食品群別の摂取量を比較した。その結果、乳製品の摂取量が多
いほど、たんぱく質、脂質、カルシウム、ビタミンB1、ビタミンB2 の摂取量は有意に多く、食品群別の摂取量では男性における野菜摂取量の増加、女性における穀類の摂取量の減少が認められた。今後は、高齢者における乳類摂取がどのような料理の組み合わせにおいてなされているか、身体組成や体力にどのように影響しているかを検討する。
※平成26年度「牛乳乳製品健康科学」学術研究

2016年4月15日